相続税対策の基礎と年末にできる節税ポイント
相続税は一定の基礎控除があるため、すべての相続に課税されるわけではありません。
ただし、準備を怠ると後で高額な税負担が発生する場合があります。
年末は相続税対策を考えるのに最適なタイミングです。
ここでは相続税の基本的な仕組みと、年末にできる節税ポイントをご紹介します。
◎ 相続税の基礎控除を知ろう
相続税には「3,000万円+600万円 × 法定相続人の数」という基礎控除があり、この範囲内であれば課税されません。
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例)相続人が配偶者と子ども2人の計3人なら、基礎控除は3,000万円+600万円×3人=4,800万円となります。
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財産の評価額が基礎控除を超えた場合、その超えた部分に対して相続税が課税されます。
相続税の申告・納付期限は被相続人の死亡から10か月以内。
この期限を過ぎると延滞税や加算税が発生するため、年末には財産と相続人の確認を進めておきましょう。
◎ 配偶者の税額軽減を活用しよう
配偶者には大きな税額軽減が用意されています。
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配偶者が相続する財産のうち法定相続分または1億6,000万円のいずれか多い方までは相続税がかかりません。
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配偶者が全財産を相続すれば理論上課税されませんが、その分子どもが後に相続する際に税負担が大きくなることもあるため、配分は慎重に考える必要があります。
◎ 小規模宅地等の特例で土地の税負担を下げる
自宅や事業用の土地は相続税評価額が高くなりがちですが、条件を満たせば「小規模宅地等の特例」により評価額の大幅な減額が可能です。
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たとえば自宅の土地(居住用宅地)は330㎡まで最大80%減額。
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事業用宅地は400㎡まで最大80%減額。
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地主業や賃貸物件の場合も適用範囲があります。
この特例は相続税の申告時に選択する制度なので、適用条件や手続きを前もって確認しておきましょう。
◎ 生命保険の非課税枠を活用する
生命保険金には非課税枠があります。
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非課税となる金額は、受取人が法定相続人の場合、「500万円 × 法定相続人の数」。
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たとえば相続人が3人なら1,500万円まで非課税となり、それを超える部分が課税対象になります。
生命保険は現金で支払われるため、相続税の納税資金にもなります。年末に保険契約の内容や受取人を見直し、非課税枠を有効活用できるかチェックしておくと安心です。
◎ 贈与を活用して生前に資産を渡す
相続税対策として、毎年少しずつ資産を贈与する方法があります。
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暦年贈与の基礎控除は年間110万円。この範囲内であれば贈与税がかかりません。
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子や孫への住宅取得資金贈与や教育資金贈与など、一定の条件を満たせば非課税枠が拡大される特例もあります。
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贈与は早めに始めるほど効果が高くなるため、年末は贈与計画を立てる良いタイミングです。
⚠️ ただし一度に高額な贈与をすると贈与税の対象になるため、年間の贈与額に注意しましょう。また、贈与契約書の作成や贈与税の申告が必要な場合もあります。
◎ 年末にやっておきたいチェックリスト
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財産リストの作成:預金、不動産、株式、保険、負債など、すべてを一覧化する。
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家族会議の開催:相続人となる人を確認し、相続や贈与に関する意向を話し合っておく。
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専門家への相談:税理士や司法書士など、相続に詳しい専門家へ相談し、節税や手続きの疑問点を解消する。
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資産評価の見直し:不動産の路線価や株価をチェックし、相続税額の試算を行う。
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贈与の計画:暦年贈与を利用する場合は、今年中に実行するかどうかを決めて実施する。
年末は相続税対策を考える絶好の機会です。
基礎控除や配偶者控除、小規模宅地等の特例、生命保険の非課税枠といった制度を上手に活用しつつ、
早めに専門家に相談して、ご自身たちの家庭に合った計画を立てておきましょう。


