土日・祝日を会社の設立日にできる特例がスタートしました!
2026年2月2日から、法務局が休日の日(土日・祝日や年末年始など)でも会社等の設立日とすることが可能になりました。
これまで会社の設立日は平日(法務局の開庁日)に限られていましたが、新制度により例えば1月1日のような祝日やご自身の誕生日など、
これまでは諦めていた特別な日を会社の「設立日(誕生日)」として選ぶことも夢ではありません。
この記事では、この画期的な新制度のポイントと実務上の注意点をわかりやすく解説します。
ぜひ会社設立の参考にしてください。
新制度の概要:休日を設立日にできるのはなぜ?
通常、会社は設立登記を申請して法務局に受理された日が「会社成立の年月日(=設立日)」として登記されます。
法務局は土日祝日や年末年始は閉庁しており申請受付ができないため、従来は休日を設立日にすることはできませんでした。
例えば「4月1日を会社のスタート日にしたいが、その日が日曜日だった」という場合、前後の平日にずらすしかなかったのです。
しかし、令和8年(2026年)2月の商業登記規則改正により、事前に一定の手続きを行えば、法務局が休みの日付を登記上の設立日に指定できる特例が認められました。
この改正(商業登記規則第35条の4)によって、起業家は会社の登記上の誕生日としてより自由に希望の日を選べるようになります。
✅ 特例を利用するための主な条件
この休日設立の特例を利用するには、以下の条件をすべて満たす必要があります。
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✅ 対象となる会社・法人であること:
株式会社や合同会社など、登記をして初めて成立する会社や法人(一般社団法人やNPO法人など含む)の設立登記であること。
※既存企業の組織変更などは除きます(後述)。 -
✅ 申請書に特例利用の旨と希望日を記載すること:
設立登記の申請書に、「休日を会社設立日とする特例を利用したい」旨と、その希望する日付(指定登記日といいます)を明確に記載することが必要です。 -
✅ 指定登記日が行政機関の休日であること:
希望する設立日として指定する日が、実際に土日・祝日または官公庁の休業日であることが条件です(例:日曜日や祝日、12月29日〜1月3日などの年末年始休暇期間)。 -
✅ 指定日直前の開庁日に申請し受理されること:
指定したい休日の直前の平日(法務局開庁日)に設立登記の申請を行い、その日に無事受理されることが必要です。申請日のタイミングが非常に重要で、これを逃すと特例は適用できません。
※連休の場合の指定:もし希望日が連休中(例えば土日月と休みが続く場合)の一日であれば、その連休直前の最終開庁日に申請すれば、連休中のいずれか1日を設立日として指定することが可能です。
例えば「日曜日と月曜日(祝日)の連休中どちらかを設立日にしたい」という場合も、その直前の金曜日までに申請しさえすればOKということになります。
✅ 対象となるケース・対象外となるケース
新制度はすべての会社設立に使えるわけではないので注意しましょう。一般的な新規の会社・法人の設立であれば幅広く対象になりますが、一部のケースは特例の対象外です。
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対象となる主なケース:株式会社や合同会社などの新規設立登記が典型です。
また、会社法上の組織再編に伴う新設(新設合併・新設分割・株式移転によって新たに会社や法人を設立するケース)もこの特例を利用できます。
要するに、まったく新しく会社・法人を立ち上げる場合は基本的に対象と考えてよいでしょう。一般社団法人や一般財団法人、NPO法人などの設立登記も対象に含まれます。 -
対象外となる主なケース:既存の法人を別の形態に変更するタイプの設立登記は対象外です。
たとえば「合同会社から株式会社への組織変更に伴う設立登記」や、特例有限会社が株式会社へ移行するケース(商号変更による設立登記)など、会社の種類変更(形態変更)による設立にはこの特例は使えません。
これらの場合は従来どおり、法務局の開庁日に登記申請を行う必要があります。また、法律上会社ではない組合(LPSやLLP等)はそもそも商業登記の扱いが異なるため、本特例の適用対象ではありません。
✅ 登記申請書作成のポイント(記載漏れに注意!)
実際に特例を利用して休日を設立日にするためには、申請書の書き方にポイントがあります。
通常の設立登記申請書に加えて特別な記載が必要になるので、漏れないようにしましょう。
まず、登記申請書の「会社成立の年月日」欄には希望する設立日(休日の日付)を記入しますが、それだけでは不十分です。
必ず申請書上で特例を利用する意思表示をする一文を付記しなければなりません。
具体的には、申請書の余白(オンライン申請の場合は「その他の事項」欄)に次のような文言を記載します。
なお、登記の年月日は、登記すべき事項の「会社成立の年月日」に記載した日付のとおりとすることを求めます。
この一文が、今回の商業登記規則改正で定められた特例の適用を正式に求める意思表示となります。
もしこの記載がなかったり不十分だったりすると、法務局は特例の申出がないものとみなします。
せっかく「休日を設立日にしたい!」という希望を書類上で伝えないと、通常通り申請受付日=設立日と扱われてしまいますので注意してください。
また、上記の文言以外にも基本的な記載ミスには気をつけましょう。
例えば、指定したい日付自体を間違えてしまったり、そもそもその日が本当に行政機関の休日かどうか勘違いして記載してしまったりすると致命的です。
申請書を提出する前にカレンダーを再確認し、記載内容に誤りがないかしっかりチェックしましょう。
※ 手続き上の注意点(タイミングや不備に要注意)
新制度を使う際には手続きのタイミングや不備のリスクにも十分注意する必要があります。特に次のポイントは実務上ありがちな注意点です。
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申請のタイミング厳守:繰り返しになりますが、指定登記日の直前開庁日に「受理」まで完了していないと、この特例は適用されません。
オンライン申請の場合でも同様で、例えば金曜日が直前開庁日ならその金曜の17時15分(法務局の通常受付終了時刻)までに申請を送信し受理される必要があります。
17時15分を過ぎて電子申請を送信すると受理日は翌営業日扱いとなり、希望した休日を設立日にできなくなってしまうので要注意です。
※郵送で申請する場合も同様に、直前の開庁日までに法務局に郵便が到着し、その日付で正式に受付されなければ特例の条件を満たせません。時間に余裕をもって手続きを進めましょう。 -
不備があった場合の扱い:もし登記申請に不備があり、法務局からの補正(訂正)指示に指定の期間内に対応できなかった場合、「休日を設立日に指定する」という申出自体が無かったものとして手続きが進められてしまいます。
その結果、設立日は当初希望していた休日ではなく、前述のルールどおり申請が受理された日(直前の平日)になって確定してしまいます。
いわば「特例を使ったつもりが通常の扱いに戻されてしまう」わけです。これは大きな落胆につながりますので、補正事項が出ないよう書類を万全に整えることが大切です。 -
添付書類の作成日:特例を利用する場合でも、定款やその他の添付書類については申請日までに有効に作成されたものであることが必要です(この点は通常の登記と同じです)。
例えば、吸収分割や新設分割で債権者保護手続きを要する場合など、申請日にその手続きが完了していなければ指定日を休日にする申請は認められませんので、事前準備を計画的に行いましょう。
以上のように、新制度を活用するには期限厳守と正確な書類作成が今まで以上に求められます。普段より少しでも早め早めの準備を心がけ、不明点は専門家に確認するようにすると安心です。
まとめ:会社設立のご相談はお気軽に弊所へどうぞ
令和8年施行のこの新しい制度により、起業のスタート日にこだわりの記念日を据えることも可能になりました。
例えば、大安吉日や「ゾロ目」の日付、創業者の誕生日など、これまで平日でなければ選べなかった日を会社の設立日にできるのは大きなメリットです。
事業年度や会計の区切りに合わせて4月1日を設立日にしたいといった要望にも柔軟に対応できるようになります。
一方で、特例を利用するには周到な事前準備と正確な申請手続きが不可欠です。
書類の記載漏れや提出タイミングのミスで、せっかくの希望日を逃してしまうリスクもあります。
そうした事態を避けるためにも、専門家である司法書士のサポートを受けることをおすすめします。
会社設立の手続きや本制度の活用についてご不明な点がありましたら、ぜひ弊所にご相談ください。
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